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レポート2024.04.20タイで起こった実話をもとにした愛情いっぱいの感動作『A Time To Fly』舞台挨拶

4月20日(土)には、那覇文化芸術劇場なはーと 小スタジオで『A Time To Fly』舞台挨拶が行われました。

実話に基づいた「無国籍の人」

本作はタイ北部・山岳地帯出身で当時12歳だった無国籍の少年が、タイの折り紙ヒコーキ大会で優勝し、日本での大会に出場する特例措置を求め周囲の人々と奮闘する出来事を実話に基づき描いた心温まる物語です。

上映終了後にはサックシリ・コスパシャリン監督をはじめ、タイ住みます芸人のはなずみが登場。そしてゲストにタイ出身のアニソンシンガー・MindaRyn(マイダリン)も登壇し、舞台に花を添えました。

サックシリ・コスパシャリン監督は、日本に来た感想を聞かれると「今回初めて日本の皆さまに見ていただける機会でしたので緊張もありますが、とても楽しんでいます。日本とタイの関係もあったうえで呼んでいただけたと思っているのでとても感謝しています」と挨拶。

ゲストとして登壇したMindaRynは作品の感想を聞かれると「とてもエモーショナルでした。主人公をサポートしていく周りの人たちにとても感動しました」と心から堪能した様子で話しました。

タイに8年ほど住んでいるというはなずみは「日本にいると無国籍の人というのは身近にいないので、作品を通してこんな世界もあるのだなと学びました」と述べました。

実は、日本のシーンで出演している日本人は…

作品に出演したはなずみは、現場での雰囲気について「日本のシーンもありましたが、なんと、出演している日本人は私一人だけなんですよ!」と暴露。会場からは驚きの声が上がる一幕もあり、コロナの時期に撮影があったため日本でのロケが叶わなかったことなど、撮影秘話や苦労話も披露されました。

実話をもとにした本作ですが、映画化の経緯についてサックシリ・コスパシャリン監督は「過去、タイの洞くつに子どもたちが閉じ込められる出来事がありました。その子たちも実は無国籍の子どもたちだったのです。そこで思い出されたのが、今回映画化したモン・トンディー君でした。彼のことを知ってはいたのですが、実際にどのような人生を歩んでいたのかバックグラウンドを知りたいと思い、本人に会うことから始まりました」と明かし、はなずみもMindaRynも、「無国籍の問題について深くは知らなかった。この作品が考えるいいきっかけになれば」と会場にも問いかけました。

最後にサックシリ・コスパシャリン監督は「本作ではモン・トンディー君という少年を、先生や政府、記者など周りの人たちが助けます。その関係は、日本とタイの関係にも似ているのではないかと思います。その優しさは日本から学んだものです。日本のみなさん、ありがとうございます」と感謝の意を述べると、会場からは大きな拍手が沸き起こり、温かい雰囲気の中、舞台挨拶は終了しました。