お知らせ

お知らせ一覧へ

レポート2024.04.20チュートリアル・徳井が監督として舞台挨拶に登壇。脚本、撮影など多すぎる自身の肩書きに「品川みたいで嫌やねん!」

4月20日(土)には、チュートリアル・徳井義実が監督、脚本、撮影、音楽、出演の5役を務めた意欲作『喝采は聞こえない』と、俳優の斎藤工が監督を務めた『縁石』が上映されました。

両作品は、大分県別府市を舞台に、日本屈指の映画監督がリレー方式でオリジナル短編映画を創りあげる『別府短編映画プロジェクト』により制作。『縁石』は第3弾作品、『喝采は聞こえない』は最新作の第5弾作品となります。

上映後には舞台挨拶が行われ、監督の徳井と『縁石』で主演を務めた俳優の安部賢一が登壇。撮影時のエピソードや舞台となった別府の魅力などをたっぷりと語り、客席を埋め尽くした観客たちを楽しませました。

他の監督ラインナップが斎藤工って、あかんあかん!

『喝采は聞こえない』は、売れずにくすぶっている舞台役者の女性が、「誰もがお葬式では主役になれる」と気づくことから物語が思いもよらぬ方向へ展開する、一風変わった作品。

「メンソーレ」と登場した徳井は、「ひょんなことからお声がけいただいて、作品を撮らせていただいたのですが、妙な作品になってしまって…。見方がわからないと思うのですが、ちょっとでも楽しんでいただけたら」と挨拶しました。

このたびの初お披露目の感想について尋ねられると、「妙な作品なので、観る人がどういう風に観てくれはるのか…。ホンマにどう観られるんやろうというので(頭が)パンパンです」と、観客の感想に興味津々の様子。

自身は京都出身で、大分にはあまり縁がなさそうな徳井ですが、たまたま知り合いがプロジェクトに関わっていたことから声がかかり、今回の参加が実現。しかし、オファー時の気軽な雰囲気と、実際に参加してからのプロジェクトの本気度にかなりのギャップがあったそうで、「YouTubeを撮影するノリでいいならと伝えたら、『そんなんでいいですー』くらいの返答だったのでお請けしたのですが、(過去作品の監督が)斎藤工さんとかで、いや、ラインナップよ!あかんあかん!って」とあわてた様子で語り、会場を笑わせました。

すべての撮影機材を自ら持参

脚本も担当した徳井は、実際に家の近所でお葬式をしている家の横を通りかかったことで、作品のアイデアを思いついたそう。「われわれのような仕事は番組などで主役になることもあるけれど、普通の人は誕生日会や結婚式でもないかぎり、主役になることがほとんどないじゃないですか。死は誰にも訪れるから、葬式では誰でも主役になれるんやなって」と語りました。

また、エンドロールで、出演、脚本、音楽、撮影、監督の5つもの肩書きがついたことに話が及ぶと、「あのエンドロール嫌やねん!」と拒否反応を示す徳井。「もう、全部俺がやりまっせみたいな、(品川庄司の)品川みたいでしょ」と絶妙な名前を出し、爆笑をさらいました。

しかし、実際に出演、脚本、音楽、撮影、監督5役すべてに関わった徳井は、中でも撮影は特に力を入れたそうで、「普段YouTubeで使用している機材をすべて東京から持ってきて、自分で撮影しました」と語ると、会場からは感嘆の声が漏れました。

撮影をきっかけに住まいを別府へ

続いて、俳優の安部賢一が登壇。『縁石』についてトークをしました。

安部が主演した『縁石』は『喝采は聞こえない』とはがらりと作風が異なる本作。自身が書いた暴露記事で訴訟を起こされ、人生に絶望したフリーライターが生まれ育った別府へ帰郷する物語で、別府で過ごした幼き日々と現代の両方が描かれます。

作品ではシリアスな役どころだった安部ですが、「今日、斎藤工さんを見たかったでしょう?」と客席に問いかけて笑いを誘い、お茶目な一面を見せます。

大分市出身の安部は、高校を卒業して競輪選手を目指していて、その練習のために別府にある競輪場に通っていたそう。

「斎藤監督のおかげで久々に別府に戻り、食、人、素晴らしい風景などに触れて、やっぱりふるさとはいいなと思って…、今は大分に戻って住んでいるんですよ」と意外な事実を明かすと、客席から驚きの声があがりました。

コロナ禍に光を差してくれた斎藤監督に感謝

しかし、この決断は一時の思い付きではなく、安部が演じた主人公の想いに重なるところがあったそうで、そこへ至る経緯を真剣な面持ちで語りました。

「コロナ禍で自粛が続き、映画も舞台も中止になって、この先どうなるんだろうと不安になっていた時にオファーをいただいて、『縁石』の主人公と同じような心境でした。救いを求めるように作品に挑み、やっぱりふるさとの別府には何かあるなと思って。その時のことを思い出すとウルッとするんですけど、東京で光が見えない時に、光を差してくれたプロジェクトの皆さんや、僕を選んでくれた斎藤監督に感謝ですね」

また今回、安部は役者としても活躍する斎藤工監督ならでは演出方法に感激したのだそう。

「別府の街を静かに眺めるシーンがあったのですが、台本にはそれ以上のことが何も書かれていなくて…。どんな気持ちなのかとあれこれ考えていたら、後ろから音楽を担当したharuka nakamuraさんの音楽が流れてきて、自然に気持ちがつくれる空気をつくってくれたんです」とカッコよすぎるエピソードを語りました。

趣は異なりながら、別府の魅力がいっぱいに詰まった2つの意欲作と、作品への愛情が垣間見えた舞台挨拶に、訪れた観客たちは大満足の様子でした。