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レポート2024.04.20そして、優子Ⅱ 主要キャストがステージに集結! 『そして、優子II』舞台挨拶
4月20日(土)、『那覇文化芸術劇場なはーと 大スタジオ』で『そして、優子II』を上映、舞台挨拶も行われ、瀬戸みちる、柳憂怜、武田幸三、そして佐藤竜憲監督が作品について語りました。
父子家庭で育った優子は、自分の置かれた環境を「普通」に暮らしている女子高生。しかし、優子を「普通」に育ててきた父親は「普通」と違う「ヤクザ」を生業にしていた。時代の変化に飲み込まれ、父親の組が存続の危機に陥るなか、優子の「普通」にも少しずつ変化があり……というストーリー。上映後、瀬戸、柳、武田、佐藤監督が舞台に現れると、会場からは拍手が起こります。
合宿状態で一丸となって作った
瀬戸は「作品を見てくださってありがとうございました」と笑顔で挨拶。そして「初めてスクリーンで一緒に見ていたんですけど、小さな頃から沖縄国際映画祭を知っていたので皆さんと一緒に見られて光栄です」と伝えました。
柳も感謝のコメント。「そしてスタッフ、俳優陣が一丸となってほぼほぼ合宿状態で作った映画で、とても思い入れがあるし、本当におもしろいと思う、自信を持って勧められる映画だと思います」と作品に太鼓判。
武田は、沖縄国際映画祭がラストであることに触れると「1回目から携わらせていただいている」と明かしますが、この映画の撮影に参加した期間が短かったことで「どんな作品になるか想像できなかった」とポロリ。そして、ラスト近くの優子と母親のシーンを挙げ、「あそこがゾクゾクした、人間は一面だけじゃない、いろんなものが詰まってるんじゃないか」と作品の感想を語りました。
一歩だけ成長する人間を描いた作品
佐藤監督はタイトルに「II」とあることについて、主人公が成長する映画はいろいろある、今回はめちゃくちゃ成長するわけじゃなく、一歩だけ成長する人間の話にしたかった、主人公が1つだけ変われたよっていう物語にしたかったので、と明かします。とはいえ、宣伝部からはこのタイトルをやめた方がいいと言われたと話し「シリーズものの続編ではありませんよ、と発信してほしい」と会場にお願いしていました。そして「こうなんじゃないかなと確信のあることをテーマにするのは好きじゃない、よくわからないことをテーマにしたい」と話すと「普通ってなんなんだろうっていうのがブームだった、ぼんやりしたものをテーマにしたかった」とこの作品について振り返りました。
主人公の優子はかけ離れた存在ではなかった
映画出演はほとんど初めてだったという瀬戸は、主人公の優子について、自分にとってかけ離れてる存在ではなかった、だから気持ちがわからないということもなく、フラットな気持ちで現場にいることができたと明かします。その現場の雰囲気については「みんなお父さんみたいで、かわいがってくださって」と笑顔。ロケ地の沼津についても「楽しかった、大人たちはみんなお酒飲んで」と明かすと、武田と柳は「大部屋みたいなところで雑魚寝だった、帰ってきたら部屋の半分は寝てて、半分は酒飲んでる」と振り返り、ステージを見て「これくらいの部屋じゃなかったっけ?」と笑わせます。そこからも撮影期間が2週間ほどだったこと、作中の事故のシーン、監督のこだわりが詰まったパンフレットについて、エンドロールで流れていた映像の意味など、レアな裏話が数多く飛び出しました。
日本映画のためのクラウドファンデインングも実施
フォトセッションには出演者の森本のぶ、沖正人、北山喜一、豊田崇史、野辺富三、新宅康弘が登壇。面々の迫力に「圧力団体ですね」と声も上がり、会場は笑いに包まれます。それぞれが一言ずつ挨拶を行ったあと、全員で写真撮影を行い、舞台挨拶は終了。最後に佐藤監督は、この日からスタートしたクラウドファンデインングについて、日本映画界が危機的状況であることを話すと、日本の映画作品を海外に持って行って見る人の母数を増やそうということで、海外での配給費用のためにクラウドファンデインングをしている、この作品も含めて日本映画全体をよろしくお願いします、と改めて挨拶。会場からは拍手が起こりました。